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ご案内



政界再編か
閉塞感について
我が国の現状
歳出削減
成長戦略ー1
財政再建
政治とお金
日米同盟
財政問題

事業仕分け
埋蔵金
成長戦略
都市と地方の
  格差

所得の格差

総選挙の敗因

野党自民党

2010年7月

 
この度の参議院議員選挙で、自民党は改選議席121のうち、51議席の第一党を獲得して、勝利した。  次の統一地方選や総選挙に向け、反撃の橋頭堡を築くことはできたと思う。

しかし、過半数には遠く及ばず、その要因を見れば決して安心できるものではない。  民主党の、鳩山、小沢氏の 「政治と金」 、普天間問題、マニフェスト違反、菅総理の唐突かつブレまくる消費税発言など、民主党側のいわば 「オウンゴール」で、自民党が勝ったようなものだ。  比例代表を見ても民主党の方がはるかに多い。

二人区以上を見ても民主党の合計は自民党より多い。  民主党からみんなの党に批判票が逃げたことも、自民党はよく考えなくてはならない。  未だ批判票の受け皿になりえていない。  換言すれば政権党としての国民の信頼を回復していない。

参議院での議席のネジレで、国会運営はそうとう難しいだろうが、菅総理は、政権を逃げ出した福田元総理と同じことはしないだろう。  「イラ菅」 「逃げ菅」 「ブレ菅」 「アキ菅」 ときているので、野党の要求を丸呑みするかもしれない。  小沢氏を抱えている民主党の内部がどうなるかが問題だ。

野党第一党の自民党は、現在の日本が置かれている困難な状況に思いをいたさなければならない。
 ・ 農林業、環境などを含む経済の成長戦略
 ・ 年金・医療・介護の社会保障財源の確保
 ・ 財政再建に向けた税財政改革
これらの課題については、与野党間の協議に積極的に参加し、結論を出していかなくてはならない。  それが責任政党というものだ。

自民党が、かつて民主党がおこなったような政局のための「反対」をしていると、日本は危機的状況に進む。  政権を任せてもよいか、これからの自民党の行動を国民は見ている。  仮に、次の総選挙で自民党が政権を奪還しても参議院では1/3強で過半数には遠く及ばないことも考えなくてはならない。


2010年6月


 通常国会が閉会した。  会期末直前に鳩山内閣が政権を投げ出し菅政権へと首のすげかえが行われた。  このような政治混乱の原因は何か、その影響はどうか。  いくつか懸念すべきことがある。

@ 民意は大事であるが世論調査ばかり気にした政治では衆愚政治に陥る。  自民党政権の不始末で衆議院選挙に圧勝して誕生した鳩山政権だが、わずか8ヶ月で支持率が急落。  これでは参議院選挙が戦えないので辞任。  選挙に負けて辞任なら民主主義の王道だが、これではただ 「選挙のため」 だけの党利党略にすぎない。

A 菅内閣になると支持率が急回復。  施政方針演説と代表質問だけで打ち切り。  何の成果も出している訳でもない。  支持率の高いうちに選挙というわけだ。  首のすげかえで日本が直面している諸課題が解決する訳ではない。  各般の施策を盛り込んだ法律案は45%が廃案で戦後最低。  国民は鳩山、小沢などの 「政治と金」 の問題、普天間問題に象徴される鳩山総理のリーダーシップのなさだけに怒っていたのだとしか思えない。  政策は子ども手当てのバラマキだけだ。  日本の政治は大丈夫か。

B 一方、自民党支持率は低迷したままだ。  真面目な谷垣総裁の下で綱領を見直し、保守政党としての政策も打ち出したが、国民にはとどかない。  谷垣総裁のアッピール度も低いが、よほど自民党政治に国民が愛想を尽かしているということだ。  10年野党を覚悟しなければならない。

C 4年足らず4人の総理の交代。  国際社会における日本への信頼やその地位の低下に拍車がかかる。  日米関係の修復は大変だ。  経済を中心に国際社会が変動している時は特にそうだ。  企業はグローバル化の中で政治に見切りをつけ、自力で走り始めている。  国内より海外への投資を加速する。  個人の金融資産も海外へシフトする。  景気が回復しても雇用なき回復となろう。

D 民主党政権の21の国家戦略プロジェクトを見た。  「新しい公共」とやらのネーミングを除き、その中身は自民党政権時代に我々が各省を指導して作成したものと同じだ。  それをそのまま出すのは新たな政権の方向性がない証拠だ。  それこそ 「官僚主導」 ということだ。  政治主導とは政治が大きな方向性を示し、官僚を使いこなすということではないのか。

E ムダの削減と埋蔵金の活用で財源はいくらでも出てくる、と民主党は主張していた。  菅総理はかつて200兆円の特別会計の1割カットで20兆円すぐ出て来ると言っていたのを、私は何度も聞いた。  その中身の最大のものは過去の借金の元利払い、次に年金の支払いなどである。  とても削減できるものではない。  財務大臣をやって勉強をしたのか、財政再建が大事とまで言い出した。  ギリシャ問題が 「対岸の火事」 から 「他山の石」 となり、 「めざまし時計」 となったわけだ。  

 さらに税制改革を 超党派で議論したいといっている。  一見結構なことに見えるが、自民党は以前から社会保障とその恒久財源としての消費税の引き上げについて、国会での超党派の議論を持ちかけていたが、民主党は拒否し続けてきた。  日本の、ギリシャよりも悪化している財政状況を考えれば、自民党は今日でも同じスタンスだが、子ども手当てや高速道路無料化など民主党のバラマキ政策を前提とすれば、大幅な消費税アップ、15%は必要だ。  そんな議論には乗ることはできない。  必要最低限の増税が保守政党の矜持である。  

 菅新内閣のV字型の支持率アップを見るにつけ、この度の
参議院選挙も政策論争なき選挙となりそうであり、暗澹たる気分だ。

                                          
2010年6月

 事務所移転のご案内

    

                                  
2010年5月

政界再編か

 5月の連休が終わり
いよいよ7月参議院選挙が間近となった。  鳩山内閣は予想通り沖縄を巡り迷走している。  自民党は離党すべき人たちが出て、スッキリとしたが、しかしその支持率はさして回復していない。  自民党も民主党も新党ばやりに苦戦している。  これを打破するには、自民党は保守政党として、具体的かつ明確な政策を選挙公約(マニフェスト)に掲げることだ。  民主党は政権を取って我が国の財政の厳しさがわかって来ている。  昨年の総選挙の社会主義的なバラマキ公約との間で相当苦労するはずだ。

 いずれにしても、今の政党支持率で行けば単独過半数を取る政党はない。  連立政権か政界再編のいずれかとなる。  自民党は右派、保守中道そしてリベラルが混在しているが、多数は保守中道だ。  民主党は非自民党の結合体だからいろいろだが、右派、保守中道、リベラル、左派と入り混じっている。  今のところ、リベラル、左派のバラマキ体質が前面に出ている。

 連立の場合、社民党を取り込んでいては、安全保障の出口はない。  民主党は公明党かみんなの党あたりを抱きこむだろう。  公明党では 「政治と金」 で鳩山・小沢体制ではもたない。  みんなの党では行政改革、とりわけ 「公務員制度改革」 で連合の有力メンバーである官公労とぶつかるだろう。

 二大政党の場合、主たる支持母体を異にするのが通例である。  自民党はこれまで業種業界などの各種団体であった。  民主党は組合の連合であるが、小沢流で業種業界を切り崩し、取り込んでいる。  選挙のためである。

 今日の日本は政局ごっこで遊んでいる余裕はない。  中国などの台頭で産業は相当傷んでいる。  ギリシャの財政問題は対岸の火事ではない。  かつてドイツが与野党の第一党と第二党が連立して危機を乗り切ったように、成長戦略と税財政改革による財政再建について民主党と自民党が部分連合するべきだ。  しかし民主党は現段階では乗ってこないだろう。

 国民から見て分かり易いのは、保守中道とリベラルで二大政党に再編されることだ。  共産主義、社会主義の脅威が去って20年。  国民政党の名の下に、全ての人々に笑顔を振りまくことはできない。

 今の日本の新党ブームは、二大政党に飽きた英国の国民が連立を強いているのとは、かなり異なるのではないか。  日本ではもう20年間も連立政権が続いている。  日本の政治の意思決定が劣化し、決断が遅れれば遅れるほど、改革の手術はより大きな痛みを国民に強いることになる。  そして世界における日本の政治的、経済的な存在感は希薄化していくであろう。  参議院選挙後が勝負になる。


2010年4月

閉塞感について

22年度予算が成立した。  子ども手当てなどのバラマキに多少の期待感があるのかもしれないが、デフレが止まり、景気が内需中心に回復し、生活が良くなるとは誰も思っていない。

政治については、不祥事ばかりで統治能力が疑わしい自民党に愛想をつかして、民主党に「政権交代」をさせてみたが、相も変わらぬ 「政治と金」、日米同盟での迷走、郵政見直しでの逆噴射など、その期待は失望に変わりつつある。  

小沢幹事長の下で民主党は、自民党の支持基盤であった業種業界を乗っ取ろうとっしているが、これでは自民党の焼き直しであり、新鮮さは全くない。  一つあげれば事業仕分けを国民の見えるように行った事ぐらいだろう。

かといって、自民党の支持率もさほど回復していない。  政治の閉塞感だ。  国民は今、将来の日本はどうなるのか危機感を持ち始めている.。  どういう進路をとって、どういう国になろうとしているのか。

私は自民党が綱領に基づいて、安全保障や年金、医療、介護などの社会保障、教育、経済、税財政など主要分野で早急に骨太の政策を具体的に策定し、国民に訴えることが重要と言っているのはこのためである。


 経済については、世界経済のリスクの現象、とりわけ中国を始めとする途上国の成長が徐々に日本にも波及しつつある。  いわば、外需頼みである。  しかし、日経平均株価は多少回復してきているが、個人も含め投資家の含み損は多額であり、かくも長きゼロ金利状態では、デフレとはいえ、給与の抑制もあって、消費の回復は望めない。  これからどうなるのか、経済の閉塞感も大きい。

一方、個人金融資産残高に政府債務総残高が急速に接近してきている。  今は、個人も含めた投資家が、低株価、低金利の日本から多少のリスクをとっても、資源国や成長力のある諸国の金融商品に資金シフトし始めているという。  ある意味で当然予想されることではあるが、あるレベルを超えてこれが進めば、国債の金利は上昇せざるを得ない。  その場合、政府の財政は利払いの急増で消費税の増税は避けることはできない。  多額の国債を保有する郵貯も含めた金融機関や年金資金も相当の損失をこうむることになる。

金利の上昇を称して 「平成の黒船」 と言う人がいる。  世界経済が徐々に回復すれば原燃料や食糧の価格は上昇していく。  円相場にもよるが、グローバル化している世界経済の中で、日本もコストプッシュ型の物価上昇に突入することになるのではないか。  資金シフトだけでなく、国の成長戦略もなければ、大企業も日本から去っていくことになる。  私は 「平成の黒船」 が早く来たほうが税財政の議論も含め、日本の立ち直りには良いかもしれないと思ったりもする。



2010年3月


自民党の現状

 予算委員会の審議や党首討論が一巡した。  しかし、鳩山内閣の支持率は急落しているが、自民党の支持率の回復には結びついていない。  そこで 「堪え性の無い人たち」 が分派的な行動を始めている。  谷垣総裁以下執行部にカツを入れたい気持ちは分からないでもない。  民主党の小沢独裁とは異なり、自民党は自由に議論ができる党ではあるが、政策論や党運営についてならまだしも、総裁の交代を含めた人事論、更には新党結成云々になってくると誠に見苦しい。  自民党はあいも変わらず内輪もめかと国民は思うだろう。  これでは夏の参議院選挙も危うい。

 我が党は、安倍、福田、麻生と三代にわたり、世論の支持率の高い人物を総理総裁に選んできて、全て失敗した。  パフォーマンス狙いでトップの人物さえ変えれば何とかなると言う考え方では、自民党の再建は困難だ。

 自民党は1月の党大会で再起に向けて新たな綱領を採択した。  民主党にはないものだ。   その綱領に基づいて来る参議院選挙に向け、安全保障、福祉、教育、成長戦力、財政再建など、骨太の政策を打ち出し、国民の不安を解消し、進むべき方向をマニフェストに示すことが今、我々に求められているのではないのか。  今、分派的行動をしている人たちに一言たい。  「あなた方はなぜ昨年9月の総裁選挙に立候補しなかったのか!」


我が国の現状

 小泉政権下での 「増税なき財政再建」 は幻想であったし、 「消費税引き上げ4年間凍結」 という鳩山政権の公約は、我が国財政の再建を不可能とすることを意味する。  年末に出された民主党政権の 「新成長戦略」 名目3%、実質2%の経済成長は、自民党政権下の 「中期展望」 と数字的には同じだが、具体的な中身、方法論が決定的に欠如している。  我が国が財政破綻を避け、持続可能な発展をしていくために残された時間は少ない。  与野党で協力してい行かなければならない分野も多い。


歳出削減

 この分野での与野党の見解は大いに異なってよい。  それが政権交代の最大のポイントだ。  私も自民党の行政改革推進本部でやってきたが、これまでの自民党政権の族議員を始めとするしがらみで打破できなかった点が多々ある。  昨年末の 「事業仕分け」 のパフォーマンスは、私から見ればいかがなものかと思ったが、地方空港など航空行政や高速道路などやるべきことは多い。  これまでの効果の検証をしっかりやりながら、冷静な事業仕分けをやって欲しい。

 構想日本の加藤氏(仕分けの事務局長) によれば、公開して国民や市民の参加を得てやることが大事とのことだ。  そういう時代なのかもしれない。  私は会計検査院に総務省の行政評価局を加え、国会の下に置いて、個々の政策の費用対策効果を常時検証させるシステムを作る必要があると思っている。

 なお、枝野大臣の下で第二次の事業仕分けが近々行われるが、それによるムダ削減で出てくる財源は、子ども手当てを始めとする民主党の施策に必要な財源とは 「桁違い」 に少ないことを指摘しておく。


成長戦略

 今日の日本の財政の税収が37兆円、経済の停滞を如実に示している。  経済の回復、成長なくして、雇用をはじめ国民生活は向上しないし、財政や年金、医療、介護などの制度も破綻することになる。  グローバル化している世界経済の中でデフレ下の我が国として、どのような成長戦略をとるべきか。  いずれにしても我が国の経済の構造調整を伴うことになるが、少子高齢化、人口減少社会の日本が持続可能な発展をするためには避けて通ることはできない。

 ・過剰供給の削減
 製造業のみならず、大型小売り業などの流通、建設、運輸など相当広汎な分野で過剰設備、過剰雇用があり、思い切った削減をして生産性のアップを図らなければならない。  過当競争を国内でいつまでも続けていてはデフレからの脱却はない。  M&Aなど同業種の中での統廃合も積極的に進めなければ国際競争力は低下していく。  電気産業を見ても米国のGEや韓国のサムソンなどと伍していけるのか疑問だ。  これにはかなりの雇用の減少が生じる。  景気対策でとられている財政面からの需要維持策は、あくまでも一時的な措置であり、金融面のゼロ金利政策のように10年も続けてはいけない。

 
・新たな成長分野
 第一に製造業を中心とした世界最先端の技術力を伸ばしていかなければならない。  資源のない我が国は、どうしてもある程度の貿易黒字を確保する必要がある。  自動車、家電、太陽光発電など、新エネ、省エネ、省資源などの環境分野で研究開発を高め、国策としてもリードしていき、低炭素型社会を構築する必要がある。  加えて、鉄や古紙などリサイクル産業を発展させ、循環型社会へ進めていくことだ。  中国を中心とする需要回復でまた単価が上昇した時に、国内でどういう施策をとるか検討を要する。

 第二に、高齢化がさらに進むことを考えれば、国民の安心、安全のためにも医療、介護の充実は必須である。  経済に占めるこの分野は8%程度で先進国では低く、一見効率的であるかのように見えるが、医療崩壊など様々なマイナス面が生じている。  規制改革などを行い、成長産業として位置づけ、伸ばしていく必要があり、雇用の大きな受け皿となる。  また農林業も、世界的な木材や食糧価格の上昇が不可避であることも考えれば、自給率を引き上げる施策が大事となる。  農家の所得保障の是非もあるが、規制緩和をして、雇用面だけでなく、地域社会の再生の観点からも措置しなければならない。

 第三に、アジアの成長を貿易面を除きどう取り込むかということである。
観光:アジアの発展により高所得層は拡大する。  ショッピングであれ、名所巡りであれ、温泉、スキー等観光資源は日本は豊かである。  メディケア・ツーリズムもあろう。  最大のネックは、国際線と国内線を結ぶハブ空港が不十分なことである。  成田、羽田、関空、セントレアなど、体系的に再整理をしなければ乗り遅れる。  日本から海外に行く日本人もそれを感じている。  地方空港問題とあわせ対応を急ぐ必要がある。

投資:これからは今まで以上にアジアを中心に投資をして行く必要がある。  今の円高相場は日本企業だけでなく金融機関もリスクをとって海外投資をするチャンスだ。  さらに資源の分野を中心に、国際協力銀行(JBIC)などが外貨準備を活用して投融資を行うべきである。  国内の投資が乏しいので、リスクも生産性も低い国債を買っていてはアジアの発展から取り残されてしまう。  逆に海外から日本への直接投資があまりに少ない。  東証での株式の売買は盛んでも、海外の企業の東証への上場は減り続けている。  日本に魅力がないのは規制なのか、系列なのか、言語なのか、真剣に対応しないとローカルな市場となってしまう。
                                                                                                         
財政再建

 歳出削減、経済の回復はいずれも大事である。  しかし、これらだけでは財政赤字は収束しない。  国、地方あわせて1000兆円の財政の債務残高という最悪のシナリオが進みつつある。
私は、年金、医療介護という社会保障の制度のあり方について国会の場で与野党が協議する場を設け、意見の集約化を図らなければ、国民的な不幸となることを懸念する。  自民党政権の時に野党に働きかけたが政局重視で無視された。  政権交代した今、民主党政権も事態の深刻さに気付いたのではないか。  
それと税財政改革も重要である。  民主党もムダ削減、埋蔵金の活用でなんとかなるような財政状況ではないことも同様に気付き、あのトンチンカンな管財務大臣が税制改正の論議を前広に始めるという。  結構なことだ。
どの政党が政権をとっても、避けて通れない課題については、国会の与野党協議で結論を出さねばならない。  政権が変われば済む話ではない。  小泉政権時代に消費税を8%まで引き上げられなかったことが悔やまれる。  クラッシュがくるまでに残された時間は少ない。

 
いずれにしても与野党間で協調すべきことは協調し、一刻も早く対応策を打ち出さなくてはならない。  かつての野党がやっていたような国会対策上の審議拒否などの戦術を自民党が取っていては国民のためにならないし、支持も得られないだろう。                                                            


2010年2月

 自民党は1月24日の党大会で、新たな綱領を採択し、再建のスタートを切りました。  同時に、会期150日の通常国会も招集され、本会議や予算委員会で論戦が始まりました。  野党自民党にとって、国会でのしっかりとした議論が国民に訴える最大無二の手段です。

 ところで、鳩山総理や小沢幹事長の 「政治とお金」 の問題、マニフェストと予算、税制のブレ、日米同盟をめぐる閣内不一致の発言などで、内閣支持率は急落していますが、政党支持率をみれば、自民党はさして回復せず民主党とは大差のままです。  政党としてみれば、まだ多くの国民が 「自民党より民主党のほうがましだ」 と考えているということであり、 政権交代を担える 「健全な野党」 に自民党がなりえていないという事です。
 
 新たな綱領は、その性格上、理念的、定性的なものです。  これを外交、安全保障、教育、社会保障、環境、経済、税財政などで、整合性を持つ具体的な政策として展開し、民主党政府との違いを国民の前に分かりやすく示さなければなりません。  これには相当な覚悟と努力が必要です。


政治とお金

 鳩山総理の政治資金については、母から子への生前贈与の問題があります。  「私は知らなかった」 ことが事実であり、贈与税を払い終えたとしても、庶民感覚からすれば 「バレもと」 と映ります。  これから始まる確定申告の納税者の意識に悪影響が出るでしょうし、税務職員にも 「もっと大きい脱税を取り締まれ」 と納税者から言われるでしょう。  鳩山総理はこれだけ多額の資金を何に使ったのか説明しなければなりません。  また、個人献金に偽装した秘書が略式起訴というのも、その悪質性からして疑問が残ります。

 小沢幹事長の政治資金については、嫌疑不十分で不起訴ということですが、秘書が3人も逮捕されていることはどう説明するのでしょうか?  決して 「シロ」 ということではないと思います。  そして、小沢氏の蓄財はどのようになされたのか、家族名義に分ければ生前贈与となることを知らなかったのか、さらに説明が求められます。

 いずれも、説明不十分であり、かつ与野党を問わず 「政治とお金」 の問題は、政治そのものに対する国民の期待を裏切り、まことに遺憾なことだと思います。


日米同盟について

 沖縄の米軍基地問題で鳩山内閣は5月までに結論を出すと言っています。  当初は 「県外」 または 「国外」 と言っていましたが、いつの間にか 「ゼロベース」となり、関係閣僚の発言もブレています。  自民党内閣の時であれば国会審議は完全にストップしているでしょう。  

 私は沖縄県民はもとより同盟国である米国に大変な不信感を与えていることを懸念しています。  「日米同盟」 はもとより軍事面だけではありません。  世界的な経済不況からの脱出策、金融面の規制強化、円とドル、更には中国の元安に対する通貨面での取り組み、地球温暖化ガスの削減交渉、米国のグリーンニューディールの一環としての原子力発電所新設における日本企業の参入、最近ではトヨタのリコール問題など、日米間の多様な分野における政府間の意思疎通に懸念材料が出始めています。
 
 
 東アジア共同体構想は進めていく必要があります。 しかし、それを進めるためには強固な日米同盟が必要であり、同構想がある程度進展した段階で日米同盟の中身を変えていくということでしょう。  今の鳩山内閣は完全な手順前後の誤りを犯しています。  現に、日米同盟を批判している国は北朝鮮のみです。

 外交、安全保障は国民の経済活動や生活をより確かなものとするための手段であり、決して一時的な人気取り、大衆迎合の愚を犯してはならないのです。  5月危機は結果として国民に降りかかってくるものです。


財政問題

 衆議院の予算委員会で本格的な審議が始まりました。  すでに述べた通り、国の財政は破綻状況にあります。  これをどのように再建して行くのかを鳩山政権は示さなければなりません。  EU諸国のPIIGS (ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン) といわれている国々の財政悪化で、それらの国々の国債価格が下落 (金利は上昇) し、EUの通貨であるユーロが下落しています。  PIGS諸国に比べ、日本の経済力は大きく、世界最大の債権国であり、国民の個人金融資産が1,400兆円あることなど、経済環境は異なりますが、財政状況は同様であり、対岸の火事と、ゆったり構えてはおれません。

 デフレをどのように止めるのか、雇用や収入を増やす経済の回復、成長をどのようにリードしていくのか、持続可能な財政をどう構築するのか、これらをしっかり示さなければなりません。

 民主党はマニフェストが大事かもしれませんが私には国民生活のほうがはるかに大事です。  管財務大臣の経済、財政に対する無知は目を覆いたくなります。  予算委員会での答弁振り (官僚の書いた答弁要旨を読み上げ、読み違い、数字のトンチンカン) G8での影の薄さなど、何が政治主導かと言いたい。  まさにミスキャストです。

 加えて2020年までに温暖化ガス90年比25%削減問題。  努力すれば可能なものと、国民生活や産業の抜本的な改革を要するものとには、時間と明確な政策誘導において決定的な差異があります。  このままでは、省エネ、省資源など環境分野で世界のトップを走る日本企業に、国内ではなく海外へ投資せよ、海外へ工場を移せというサインを出しているのと同じことです。
  日本の産業の空洞化がいよいよ進むことになり、日本人はこれからどうして生きていくのかと思いたくなります。

                                           
                                      
年末のご挨拶

年の瀬を迎え、皆様におかれましては、ご多忙のことと思います。
今年一年は経済状況も大変厳しい年でありましたが、私にとりましても政権交代という津波の中で8月の総選挙で落選し、ご支援賜った多くの方々に誠に申し訳ない年となりました。

しかし、この12月4日には私の「語る会」で、さらなるご支援をいただき、私も自民党の再建、そして私自身の再起を期して今後とも努めて参る決意を新たに致しました。

さて、新たな鳩山政権ですが、来年度の予算編成や税制改正、更には外交、安全保障などで相当に揺れております。  政権交代に伴う3ヶ月の猶予期間が終わり、マスコミも少しずつ批判的な論調が目立つようになって来ております。  自民党が改革できなかった課題、例えば空港整備、事業仕分けなど評価すべき点はありますが、日米同盟、経済再建や国の財政規律などの基本となる骨格が定まらないようでは、日本は衰退に向かって走り出すようになります。

野党となった自民党は、国民の皆さんの声に率直に耳を傾け、保守政党としての原点に立ち返り、政策、統治能力などに磨きをかけ、いつでも政権に復帰できるよう 「健全な野党」にならなければなりません。  しかし、鳩山内閣の支持率が50%前後に下落しては来ていますが、自民党の支持率は低迷しています。  来年1月後半から開かれる通常国会で、いよいよわが党の真価が問われることを覚悟して、、しっかりと取り組む必要があると考えております。  そして、来年の夏の参議院議員選挙で勝利して反転攻勢を確かなものにしなければなりません。

ここに私の再起の決意を新たにし、今年一年のケジメを致します。
皆様、良き新年をお迎えください。


事業仕分けについて


行政刷新会議の下で、「事業仕分け」がマスコミと国民にオープンして行われ、多くの国民から支持を得ました。  予算編成を国民に見えるものにした点は我々自民党にとって大いに反省をし、参考としなければなりません。  一方いくつかの疑問点があります。

第一に、この「事業仕分け」により約7000億円の財政が生み出されるとのことです。  しかし民主党のマニフェストでは、予算のムダや組み換えで子ども手当てなどの財源は確保できるとしていましたが、とてもこれでは足りません。

第二に、約7000億円農地最終的にいくらが財源となるのか、なお不明です。  ちなみに約2500億円は2年前に我々自民党の行政改革本部ですでに査定済みで、独立行政法人関係法の改正法案により、国に納付することとしていましたが、民主党の審議拒否により実現しなかったものです。

第三に、スーパーコンピューターや米軍の思いやり予算など、我が国の中長期の科学技術戦略や外交・安全保障戦略に関するものが費用対効果といった目先の基準のみで対応されて良いのでしょうか。  仕分けする人たちの選考基準もオープンにすべきです。

いずれにしても、子ども手当て、高速道路の無料化、暫定税率の廃止などの 「パン」 を国民にバラマキ、事業仕分けという 「サーカス」 で国民の喝采を得ているうちに、財政は破綻し、経済や国力が衰退して行った古代ローマ帝国の 「パンとサーカス」 を連想せざるを得ません。                                                                                                                                            





税外収入(埋蔵金)について

来年度の予算案がやっと決定されました。  色々な見方がありますが、私の懸念を一つ指摘いたします。  それは税外収入10兆6000億円です。  この主な中身をみると、今回限りのものと、毎年予定できるものとに分けられます。

=今回限りのもの=
・財投特会積立金            3兆4000億円 
      (このうち2.5兆円が基礎年金の国の負担増に使用)
・外為特会余剰金            2兆5000億円
・その他の特会のからの繰り入れ     2000億円
・基金の国庫返納など         1兆円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      計               7兆1000億円


=毎年予定できるもの=
・財投特会余剰金            1兆4000億円
・外為特会余剰金 (11年度以降)    3500億円
・日銀納付金                  3000億円
・JRA納付金                 2000億円
・国有財産の処分               1000億円
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      計                2兆3500億円

これらを見ると、平成23年度以降は収入に7兆円強の穴が開きます。  一方、基礎年金の国の負担の引き上げ (1/3→1/2) 2兆5000億円、子ども手当ての引き上げ (月13000円→26000円) 2兆5000億円など、避けて通れない支出の増加が待っています。

とうてい成長戦略なし、消費税の増税なし、で対応できる話ではありません。  政府は来年前半には今後の財政見通しである 「中期財政フレーム」 を発表するとしていますが、トリックがばれると長期金利の急騰など市場からイエローカードを突きつけられるでしょう。  いよいよ「日本病」が始まります。

                                                
2009年12月

12月4日に、私の再起を期す 「励ます会」 を広島で無事終えることが出来ました。  野党で且つ落選中にもかかわらず、大勢の方々がお集まりくださり、ほんとうに元気をいただき、有難うございました。

さて師走に入り、この一年を総括し、新年を迎える準備をする時期になりました。  振り返ってみますと、

* 内閣府の副大臣として消費者保護のための消費者庁を新設しました。
これは、国民生活の安心・安全に、またともすれば事業者向けの行政の在り方に、大きな影響を与えることになると思っています。

* 夏の総選挙で私を含め自民党が惨敗しました。
昨年秋の麻生政権発足以来、いつ選挙になるかと走って来た自民党の候補者には、ダメージは相当大きいと思います。

* 厳しい財政事情の中で自民党政権が行った政策が間違っていたのか。
確かに 「改革至上主義」 に陥った点はあると思いますが、私は自民党の 「統治能力の劣化」 に国民のご批判があったと思います。  

二度にわたる政権の放り出し、党内の抗争、閣僚の不祥事、ブレ、天下りへの不十分な対応など、およそ国民の感覚からズレた出来事が次々に発生し、私自身も 「一体何をやっているんだ!」 と憤りました。  そうした反省に立って、保守政党としてその原点から再構築しなければなりません。  レジーム・シフトなら野党10年を覚悟しなければなりません。

しかし、民主党政権が政治資金問題、内閣不一致、掛け声だけの政治主導などなど、統治能力の問題にとどまらず、ローマ帝国衰退時の 「パンとサーカス」 で大衆迎合に走れば、政策の失敗で政権交代は早まるでしょう。  

子ども手当て、高速道路無料化、暫定税率の廃止など、いわゆる 「パン」 をバラ撒き、見せ物よろしく事業仕分けという 「サーカス」 で、さしたる財源が確保できなければ、財政は破綻し、経済はデフレ、二番底に陥ります。  日本は衰退の道を転げ落ちるでしょう。  鳩山首相のまさにリーダーシップがない失政となります。

私の愛読書の一つである 「坂の上の雲」 のドラマが始まりました。  あの時代のようなエネルギーを我々日本人はこれから持つことが出来るでしょうか?  少子高齢化が進み人口が減少して行くこれから、どのような成長戦略を描いて行くのかにかかっています。 

私の考える成長戦略

1・農林水産業では資源、食糧の国際価格の上昇を見込んで木材、穀物などの自給率を引き上げていくこと。
2・製造業では省エネ、省資源など環境分野の先端技術をさらに進めること。
3・第3次産業では、子育て、医療介護、という社会保障の分野の充実。 
住宅では長期優良住宅の推進、増改築、そしてリバース・モーゲージの構築。  
さらに国際観光の推進により成長するアジアにオープンスカイなど、成長分野は多々あると思います。  

このような分野での方向性を明確に示し、国民を誘導していくリーダシップが今こそ求められています。  成長戦略のリーダーシップを欠けば企業は競争力低下、海外移転、国内空洞化が進み、国民は雇用の悪化や収入の減少に苦しみ、国は財政破綻というシナリオになってしまいます。  

今こそ、日本の衰退を打破し、また 「坂の上の白い雲」 目指して行かなければなりません。  それを実行するのが我々保守政党である自民党です。  来年7月の参議院選挙に向けて、政権交代の受け皿になれる 「健全な野党」 に自民党を再建することが最大の課題です。 
                                                                                                                                                               

2009年11月


  昨日の仕分け作業を見ていて、公開処刑のような感じがしました。  かつて中国で4人組が闊歩していた時の公開処刑、ばっさり予算を切る。  見ていて爽快な感じがしますが、見せしめの感がします。  勿論、予算のムダは排除しなければなりません。  しかし結論を急ぐと結局はその事業を利用していた利用者、つまり国民が困ることになるのです。 
 
乱暴な議論で、たったの一時間で決められるわけもなく、決定に法的拘束力がなく、この金額が全て削減されるわけでもありません。  見直しには事業の相手方、地方自治体の意見も聞かなくてはならないのです。  そう簡単にばっさり切ることは出来ないと思います。  この度の仕分け作業はパーフォーマンスにすぎない、と思います。

しかし、自民党もパフォーマンスをうまくすれば良かった、と今になって思います。  自民党でもこの3年間 党の行政改革推進本部で 「ムダ撲滅運動」 で同じことをしていました。  これにはマスコミは全く興味を示しませんでした。  予算のムダとして総額5000億円を切りました。   長時間かけて一つ一つ決定して行きました。  財務省の主計局と相当議論をしたものです。  削減される団体から反対のメールが殺到したりもしました。 
  
それにしても、この事業仕分けに関連する独立行政法人の資産売却益、2〜3000億円を国に納付する、という法律改正案を自民党は出していましたが、民主党は審議に全く応じませんでした。  その事実を民主党はどう説明するのでしょうか。

この度の仕分けの結果は、来年度の予算にきちっと反映されなくては意味がありません。  これから各省の政務3役と相談すると言いますが、果たしてこの度の結論どおりになるのか、しっかりウオッチしていく必要があります。  予算は政府として閣議決定するものですから、財務省と各省庁の合意がなければ決定されないのです。



ご案内

増原義剛君と語る会
日時平成21年12月4日(金)午後5時30分
場所:広島リーガロイヤルホテル4階「クリスタルホール」

ごあいさつ
謹啓皆様方におかれましては、時下ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。
また、増原義剛君の政治活動に格別のご理解とご支援を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
さて、この度の衆議院議員の総選挙におきまして、増原義剛君は、まずもって経済の再建を訴えて戦いましたが、ご承知のような状況の下で、残念な結果となりました。経済、地球温暖化対策、社会保障や税財政等に対する同君の見識、手腕は、皆様ご承知の通りであり、是非とも国政の場に再度送り出すべきものと思っております。
つきましては、例年行っております 「増原義剛君と語る会」 を開催し、その再起を励まし、応援したいと考え、語る会を開催する運びとなりました。皆様方には大変ご多忙の時期とは存じますが、是非ともご出席賜り激励していただければ幸いでございます。何卒宜しくお願い申し上げます。
                              謹白        発起人一同
                                      
                  


2009年11月

今の日本に厳然とある 「格差」 について考えてみたいと思います。  この 「格差」 を無くすることこそが、私は国民が将来に対する 「安心」 を得ることができる、と思うからです。  格差には 「都市と地方の格差」 と 「所得の格差」 があります。

都市と地方の格差」について

「都市と地方の格差」 問題は戦後の構造的な問題です。  この格差解消のために、地方交付税交付金、補助金等の財政面の支援や 近年は規制緩和の特区など、地方活性化を図っていますが 「国から地方へ」 という地方分権推進のスローガンの下で、バブル崩壊後、その結果として 「格差」 を拡大させ、自民党敗北の一因となりました。  

自民党政権は大きな失敗を2つしてしまいました。

1・近年の輸出主導の経済回復期の税収増に伴い、 「地方財政計画」 というマクロの計画の中で、地方交付税交付金を大幅に削減しました。  しかし、税収増となったのは東京などの大都市であって、交付金がゼロか小額の自治体です。  このしわ寄せは、いわゆる税源が乏しく、交付金に依存する地方自治体の財政を直撃しました。

2・「国から地方へ」 という地方分権の名の下に、 「3兆円の国から地方への税源移譲」 を行いました。  国から地方への補助金や負担金を3兆円削減し、それに相応する国の所得税を減税、地方の住民税を増税しました。  地方が自由裁量で使える財源を増やすという大義名分でありましたが、結果は住民税増額で太ったのは大都市だけでした。  補助金などが多い地方は住民税の税源が乏しく、これまた地方の財政を直撃しました。

このような結果は地方の実情を多少でも分かっている者には容易に想定できたことでした。  私や一部の同僚議員は強く反対しましたが、小泉改革の柱として閣議決定し、押し切られました。  1は 「地方財政計画 」というこれまでのマクロ制度の限界であり、2は政治主導、「改革至上主義」 の弊害です。

道州制を視野に入れた地方分権を進めて行くことに、与野党とも異論はないと思います。  その際大事なことは次ぎのとおりです。

1・当面の景気対策を行う時、自民党が補正予算で計上した経済緊急対策の臨時交付金をさらに2年間確保すること。  これは財政が厳しい地方自治体が自由に使える財源であり各々の自然的、社会的状況に応じ工夫して地域の活性化を図ることができます。

2・事業仕分けを大胆に行い、廃止・縮小する事業、地方に移管する事業を明確にすること。  その際、小額補助金の全廃など、国の補助金や負担金はナショナル・ミニマムとして最小限負担すべきものや、新たに推進する事業は年度を限って認めるなど、例外的なものに限定します。  これにより、国が行う直轄事業などは原則国の負担とし、そして地方が行う事業は国から包括的な交付金に統合します。

3・1と2を同時平行に行いながら、地方財政計画や地方交付税交付金制度を抜本的に見直し、かつ、税源格差の大きい法人課税を縮小し、格差の少ない地方消費税を引き上げ行くこと。

4・国と地方の税財源のあり方を考える時、いわゆる地方の中で大都市と地方に経済力の格差が大きい実態にしっかり目配りをしないと、同じ失敗をすることになる。  「国から地方に」、 地方主権というスローガンだけでは地方は疲弊し、国は衰退します。

                                               

所得の格差」 について

所得の格差拡大は高齢者と若年層で生じています。  これまでの政策は不十分であり、政治が解決すべき課題があります。  

高齢者層の場合は、なお元気で働いて収入を得ている人と、退職して給料がなく年金中心の生活をする人の間で格差は拡大します。  高齢化が進む今日、それは自動的に生じます。  問題は自営業や農業などをする人たちの国民年金とサラリーマンの年金の違いです。

サラリーマンの厚生年金は、一階部分の基礎年金と二階部分の報酬比例、さらに大企業などは三階部分の企業年金があり、保険料は労使折半です。  例えば今問題になっている、日本航空(JAL)のOBの年金は、月30〜40万円と手厚くなっています。

国民年金は自営業など、お店を子どもが継いでくれる時代であればまだしも、最大で月6..6万円、生活保護費よりも低い状況では生活できません。

国民年金 (基礎年金) の財源を保険料から、全額消費税に切りかえる一方 (今は半分が税金です)、支給額を引き上げて行く必要があります。  これが実現できれば老後の不安の一つは解消します。  景気回復後に消費税の増税は避けて通れません。

次に若年層の所得の格差の拡大です。
バブル崩壊後、国際競争力強化や働き方の多様化というスローガンのもとに、雇用関係の規制緩和をしました。  派遣制度の創設などがその例です。  結果として働く人の3人に1人が非正規という状況になっています。  これは正規社員との間で所得の格差を拡大させました。

ニート、フリーターといわれる若年層は200〜300万人に達しています。  一方この多くの人たちは正社員として働くことを望んでいます。  わが国の少子化の大きな原因であり、年金や医療制度にも悪影響を与えています。  この是正のためには、第一に派遣制度の見直しです。  第二に職業訓練の充実。  なかでも医療、介護や農林業の分野に誘導していく必要があります。  第三に大企業の経営者の法令順守。  偽装派遣や偽装請負が横行しているようでは、罰則強化も必要です。  これらは政党の違いを超えて強力に推進していかなければなりません。
                                                 

2009年10月


皆様こんにちは

この度の総選挙で、私を含め与党の自民党、公明党が大敗しました。  ある程度予想されていたことではありますが、現実の結果が示されると、私のように落選した者はもとより、当選した者も茫然自失であったと思います。

私の場合、県や市町議会の議員の皆さん、後援会の方々、友党をはじめ、本当に頑張っていただきました。  しかし 「政権交代」 という、個々の候補者にはつかめない逆風の中での戦いは異様に感じました。

さて、民主党政権が発足して一ヶ月余り、自民党も新たに谷垣総裁の下で体制が発足した今日、私なりに総括して次に向けてのスタートを切りたいと思います。

総選挙の敗因

私は大きく見て3点あると考えています。

1・二度にわたって一年で政権を投げ出し、総選挙の洗礼を受けない民意不在の政権運営を続けてきたこと。

2・保守政党の目的として、国民生活、伝統、文化、地域社会、家族などをしっかり守っていくべきであるが、小泉政権以降、本来手段であるべき 「改革」 が目的化し、改革原理主義に陥り、国民の痛みに対し鈍感で、十分な説明もしない傲慢な政権となったこと。

もとより、日本の活性化のために小泉政権以降行って来た 「改革」 には、必要なものも多々ありましたが、修正、変更すべき点もまた多くありました。  これに対し 「改革の後退」 とマスコミに批判されることや党内の混乱を恐れ、十分な対応、路線変更が出来ませんでした。  私自身忸怩たる思です。

3・少子高齢化、財政難、そして不況という状況下で、将来に向けての日本のあるべき姿をわかりやすく国民に提示できなかったこと。

野党としての自民党のあり方

英国のサッチャー元首相が言っているように、民主主義は 「健全な野党」 があってはじめて成り立ちます。  第一次大戦後のドイツのワイマール体制といわれる民主主義の下で、ナチスが台頭し独裁制に至ったことを考えると、我々自民党は、真摯にその再建に取り組まなければならなりません。  先日の総裁選で世代交代とか、世襲批判とかでていましたが、それらは総選挙の敗因ではありません。  マスコミ受けを狙っていたら、明日の自民党はありません。   留意すべき点は次の諸点にあると思います。

1・まずは保守政党としての原点に立ち返ることです。  我々が先祖から継承してきた良きもの、美しきものをしっかりと守り、時代に合わないものを思い切って改革して行くことです。  そして自主自立の精神を尊び、育んで、新たな発展に継げて行く必要があります。

しかしこれは決して 「改革至上主義」 でも 「市場原理主義」 でもありません。  社会的弱者を救済することは保守の原点であります。  ただし、社会主義的な大きな政府ではありません。  自助、共助、公助のバランスと負担のあり方をしっかりと国民に示して行かなければならないのです。

2・次に我々は初心にかえって国民の声に耳を傾けなければなりません。  バブル崩壊後、いわゆる 「格差」 が拡大していることは明白です。  大きくは二つ、 「都市と地方の格差」 と若年層の 「所得格差」 です。  これらに有効な施策を麻生政権で打ち始めましたが、スピード感がありませんでした。  子育て、教育、社会保障、雇用なども含め官製版ではない国民の生の声を聞く必要があります。

3・自民党の人事で色々言われましたが、野党になれば国会での論戦が最重要になってきます。  中堅若手は、野党である今、マスコミの受け狙いに走らず、しっかり勉強して次に向けた力を蓄えることが必要です。  世代交代はその後に自然と付いてくるでしょう。

4・大敗で衆議院の議席数は2.5倍の大差となりましたが、得票数ではそう大差はありませんでした。  この現象は小選挙区制を採用している諸国でも同様です。  ここから2点考えるべきことがあります。

*今回は社民党や共産党が候補者を絞ったことが敗因のひとつにあります。  今後もこの状況は続くでしょう。  一方、私の場合もそうですが、自民党支持層の3人に2人しか支持されておらず、3人に1人は民主党候補者に投票しました。  「自民党は何をやっているんだ。一度民主党にやらせてみよう」  という空気が蔓延していました。  この人たちはこれからの自民党の行動を見守っていて、この信頼をいかに取り戻すか、これが最重要課題です。  

また、投票率の上昇した分は、ほぼ批判票として民主党に行きました。  マスコミの影響も大きいですが、そのために単なる受け狙いは禁物です。  野党としての自民党は候補予定者の日々の活動と、国会での論議などを通して、民主党との対立軸を鮮明にして行かなければなりません。

*次に都道府県や市町村の議会議員の方々は、自民党系が多数です。  この方々との対話を十分に取らなければなりません。  その際、6年前の小泉郵政選挙で刺客を送った地域をはじめ、支部である都道府県連の中に亀裂が生じている場合が多く、 これをいかに再構築するかが課題です。  来年の夏の参議院選挙、そして再来年春の統一地方選挙を視野に入れ、自民党の幹部は積極的に地方周りをしなくてはならないと思います。

これらのことを肝に命じながら、これから再起を期して行きたいと思っておりますので、これからも宜しく、お願い申し上げます。
                    
       
                                       


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